犬の尿道炎・尿石症・尿崩症
尿道炎 | 尿の通り道が、炎症を起こす病気です。 痛みを伴う排尿困難や頻尿などの症状は膀胱炎と似ています。 |
症状 | 血尿が排尿の最初に見られ、膀胱炎では尿全体、又は、尿の終わりごろに認められます。 尿道に違和感が感じる為、オスは陰茎、メスは外陰部を舐める仕草をします。 慢性の尿道炎が長く続くと炎症のために尿道壁が硬くなり、内壁が狭くなるために詰まってしまうことがあり、その結果尿閉を起こす事もあります。 |
原因 | 膀胱炎と似て、細菌感染が多いですが、その他腫瘍の発生や尿道結石なども原因に挙げられています。 |
対処法 | 尿検査などにより細菌感染の有無や、尿の状態を検査したり、レントゲン検査や血液検査、細菌培養検査などの詳しい検査が必要な場合もある様です。 感染に関しては抗生物質や消炎剤などの内科療法が行われたり、原因を除去したり対処療法を行う様です。各種原因に対して適切に処置を行えば問題なく治すことができ完治率は95%以上と言われています。 予防は去勢と、普段から免疫を高め菌への抵抗力を高めておく事が効果的なようです。 |
尿石症 | 結石とは、多量の結晶で構成される物質のことで、この結石または多量の結晶が尿路内に存在し、生体にさまざまな影響を及ぼす疾患を尿結石症と呼びます。 |
症状 | 結晶や結石は、尿路粘膜を刺激して血尿・頻尿・排尿困難を引き起こし尿路感染の素因となります。 また、尿管や尿道に存在する尿石は尿路閉塞の原因になることもあります。 |
原因 | 尿石形成に関与している他の要因には、尿路内に尿石形成成分が十分な時間にわたって停滞していること、尿のphが結晶形成に適している事・結石形成に必要な核となる物質が存在している事、結晶形成を抑制する因子の尿中濃度が低い事があります。 多量の食事性蛋白質と無機質の摂取や犬の尿濃縮能力が、尿石形成成分の尿中での過飽和に関与し、代謝異常や細菌感染が過飽和の原因になることもあります。 |
対処法 | 尿検査・レントゲン検査(ただしレントゲンで発見できない種類もある)・血液検査・超音波検査等を行い、場合によっては造影レントゲン検査や結石の詳しい分析検査を行う事もある様です。 尿石により尿路が閉塞している場合は、早急に各種 方法で処置し、場合によって緊急手術で尿石を摘出する必要もある様です。 腎臓機能回復・尿石を溶解するために輸液や各種薬剤による内科療法や尿酸性化剤や尿アルカリ化剤により尿石の溶解を行ったり、細菌感染に対しての抗生物質の投与を行う様です。 尿石症は尿石の除去や溶解ができれば問題はなく完治率は80%程度と言われますが、尿路閉塞により腎臓機能が重度の障害をうけると予後は悪いようです。 一度尿石症を起こした場合、再発する可能性が高いため、投薬や処方食についての指示は必ず守る事が大切です。 |
尿崩症 | 抗利尿ホルモンの産生あるいは分泌が障害され、その為に腎集合管における水の再吸収が障害されて多尿となった状態を尿崩症と言います。 |
症状 | 進行度により異なりますが、多飲、多尿が主症状で、おしっこの回数が多くなり量も増えます。 |
原因 | 一次性尿崩症と二次性尿崩症に別れ、一次性の場合は、代謝異常や尿管等に損傷を受ける場合に起こり、二次性の場合は感染・腫瘍・奇形・又は手術や事故・外部からの衝撃等によって障害を受け起こることがあると言われます。 |
対処法 | 症状・尿検査結果や血液検査・血液や尿の浸透圧を測定などからある程度の診断が可能な様です。 確定診断には特殊な試験を行う場合もあり、腎性か下垂体性により治療も異なり、治療というよりは多尿をコントロールすることが必要で、抗利尿ホルモン合成を促進したり、腎臓における抗利尿ホルモンの感受性を増強させる薬剤による内科的治療が一般的とされています。 食餌療法で塩分摂取制限療法などを併用し、飲水は絶対に制限してはいけない様です。 |
病気辞典について
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